牛に音楽を聞かせると乳の出が違うとか、クラシックを流していると美味しくパンが発酵するなどという話題をよく聞きます。
正直言うとこの本を読むまでは、半信半疑でした。
しかしどうも眉唾ものとか、トンでも話とはちょっと違う、科学的検証が始まっているようです。
簡単に言うと、音の波動が物質のもつ波動性質に共鳴して、生命活動の変化を引き起こすということのようです。
モーツァルトやベートーヴェンの曲中の「あるフレーズ」が、タンパク質のアミノ酸配列のピッチによく似ていて、その共鳴作用によって、タンパク質合成に大きな影響を及ぼすのです。
牛は音楽を聴くことによって、お乳の構成タンパク質が増産されるのです。
これだけ聞くとやっぱりホントかよ〜と思いますよね。
私もそう思いました。
素人考えでも、様々な疑問が残ります。
現在では、体内の色々な酵素の働きや体内システムは、以前考えていたような単純な関係で成り立っていないことが判っています。
ひとつの酵素がある箇所では促進を促し、ある臓器では抑制を、またその濃度によっても効果が全然違ってきているのです。
故に音の波動が体内活動に影響があるとしても、単純に増産されたから元気になりましたとは言えないのではないでしょうか?
また、この考えの根本には、物質の波動性質が重要な鍵となっています。
とすると、タンパク質合成作用だけではなく、あらゆる物質の配列や関係が自然の音やあらゆる波動性の影響下にあるといわなくてはなりません。
そうなるとそれこそ天文学的な組み合わせの中で、考えてゆかなくてはならなくなります。
もちろんこの新量子力学理論は、今産声を上げたばかりです。
今後は、何処までこの理論に普遍性があるのか、冷静な研究を待たなければならないと思います。
しかし、しかしです。
より単純なバクテリア実験や熟成酵素の比較実験は、音楽があるなしの短時間で明らかな差異が認められますし、第3者による植物や家畜実験結果も確実に集まってきているようです。
それに、実験による副作用のデーター開示は、どこか科学的手法の正しさのように思えてきます。
かのアインシュタインが、ある実験データーの結果から、古典物理学の常識に反する光の粒子性を発表したのは、26歳の若造でした。
常識で理解できない現象は、非常識な公理の温床なのです。
音痴な私は、音楽公式などは全く分かりませんが、流行の癒し系音楽には確かにホッとするところはありますし、読経や聖歌、はたまた各地の民族音楽もどこか胸の奥底では同じ基盤を感じます。
あれは母の胎内だったのか、それとも地球生成間もない焼けつく海の中で聞いた歌なのだろうか。
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