切除されて/キャディ ヴィレッジブックス

「ふたりの女性に抱えられるようにして部屋につれていかれた。
ベッドのうえに寝かされるや、ひとりの女性に頭をつかまれ、肩に両ひざをのせて体重をかけられ、もうひとりに脚を広げられ、ひざをつかまれた。
がくがく震えていた私の体は、もうなにがあっても動かない。
身動きひとつできない。すぐさま、カミソリを手にした施術する女性が目の前に現れた。
母親がこの日のために買ったカミソリだ。

その女性が、陰部の小さな肉のかたまりに触れたかと思うと、指で力いっぱい引っ
張った。
引っ張りながら、コブウシの肉でもそぎ落とすように切ろうとする。
が、一回では切れず、のこぎりのように何度も引く。」

「女性の体のなかでも、もっとも敏感な知覚器官である陰核(クリトリス)を少女のうちに切除してしまうという、文字にするだけでも恐ろしい慣習がある。」

「女子性器切除」

「男性ならば陰茎と亀頭を切り取られるのと同じことです」

「いまだにアフリカ、中東、アジアの国々で」

「女子割礼」の名にもとに、様々な施術が行われています。

「クリトリスから大陰唇、小陰唇まですべてを切り取ったあと外陰唇の両側を閉じて癒着させ、尿が通るように小さな穴だけを残す。」

「性器切除の犠牲者の数は、一億三千万人以上にのぼると推定されている。」

「今でも年に二百万人の少女がこの慣習の犠牲になっているという。」

なぜ?
なぜ?
なぜ?

なぜ!
(2007年7月)